商標登録とは?区分から流れ・費用も含めてわかりやすくプロが解説

 「商標の登録流れを教えてほしい。

 商標登録したほうがよいのかな。

 商標登録をしないとどんなリスクがあるのだろう。

 あとは登録にかかる費用も知りたい。」

こうした疑問に答えます。

今はアラサーの方に副業が熱く、サイドビジネスを行っている方も多いと思います。

サイドビジネスを立ち上げたけど、法人名、商品名、ショップ名を含むサービス名は商標登録をしたらいいのか悩ましいです。

これまでの人生で商標に触れ合う機会はほとんどなく、商標をとることに意味やとらないことのリスクなどよくわからないところが多いでしょう。

とはいうものの、現在商標の出願件数は年々増加傾向にあり、これまで商標出願をしてこなかった企業・個人事業主が商標出願する傾向にあります。

商標の出願件数

引用元:https://www.jpo.go.jp/resources/report/nenji/2019/graph.html(特許庁サイト。商標登録出願件数の推移)

もしあなたがこれらのいずれかにあてはまる方は読むと参考になるでしょう。

・商標登録をとらないことのリスクをわかっていない

・TMと®の使い分けをわかっていない

・今は弁理士にお願いすると、一昔前の相場の半分以下で対応してくれるところもあることを知らない 筆者は商標のプロである弁理士であり、筆者もまた格安商標出願代行のオンラインサービスの「BrandAgent」を商標登録出願しています。

本内容の構成

1.商標登録とは!?

2.商標登録の区分とは?指定商品・役務も含めて簡単に解説

3.商標登録を自分でやるとき区分の注意点

4.商標の登録流れを解説

5.商標登録しないことのリスクとは

6.商標登録にかかる費用は?

7.商標登録のまとめ

筆者もまた、弁理士をしながらサイドビジネスを立ち上げている者であり、サイドビジネス経験者と商標のプロという双方の立場からサイドビジネスを始めたアラサーのあなたにお役に立てると思います。

本内容では事例をふまえて解説したほうが分かりやすいと思うので、以下のように、コーヒー豆を販売するネットショップ「COFFEE BOYA」のショップ名を商標出願すべきかどうか検討します。

商標出願の事例

1.商標登録とは!?最低限知って損はないこと

そもそも商標とはどういうものをいうのでしょうか。

商標法第2条第1項には、「この法律で『商標』とは、人の知覚によつて認識することができるもののうち、文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音その他政令で定めるもの(以下「標章」という。)であつて、・・・」と商標について定義されています。

つまり、商標とは、文字(標準文字・ロゴ文字)・図形・記号・シンボルマーク・立体的形状・色彩・音のいずれかかこれらの組み合わせで構成されているものであり、事例「COFFEE BOYA」でいうと以下のようになります。 商標の説明

この場合、標準文字(COFFEE BOYA)、ロゴ文字(フォント入りのCOFFEE BOYA)、シンボルマーク、シンボルマークとロゴ文字の組み合わせの4つのどれかを商標登録することができます。

標準文字とは、「特許庁長官の指定する文字(商標法第5条第3項)」をいい、文字のみで構成されることをいいます(https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/trademark/syouhyou_5_3.html)。

つまり、フォントや色を排除した単なる文字で構成されているものを標準文字といいます。

これに対し、ロゴとは商標法で具体的に定義されていませんが、慣用的には文字にフォントや色をほどこしたものをいいます。

シンボルマークはロゴと混合しやすいですが、慣用的には象徴する図形をいい、文字であるロゴとは区別されます。

商標は、これらの単一から構成されていてもよいですし、これらを組み合わせたものでもかまいません。

ただし、商標出願では、「商標登録出願は、・・・商標ごとにしなければならない。(第6条第1項)」と規定されておりこれらの4つの商標を包括して1つの商標登録出願とすることはできません。

ネットショップ名自体は同じですが、それぞれ1つずつ商標登録出願する必要があり、その分費用も増えてきます。

じゃあ4つのうちどれを商標登録出願すればいいのか、という話になりますが、筆者は標準文字をおすすめします。

理由はこちらの記事で解説しています。

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では商標登録出願では、これらの商標のうちいずれかを指定すれば登録できるのでしょうか。

実はこれだけでは不十分であり、区分と商品と役務を指定する必要があります。

2.商標登録の区分とは?指定商品・指定役務も含めて簡単に解説

区分 商品/役務 区分の名称(https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/trademark/ruiji_kijun/ruiji_kijun9.html)
第1類 商品 工業用、科学用又は農業用の化学品
第2類 商品 塗料、着色料及び腐食の防止用の調製品
第3類 商品 洗浄剤及び化粧品
第4類 商品 工業用油、工業用油脂、燃料及び光剤
第5類 商品 薬剤
第6類 商品 卑金属及びその製品
第7類 商品 加工機械、原動機(陸上の乗物用のものを除く。)その他の機械
第8類 商品 手動工具
第9類 商品 科学用、航海用、測量用、写真用、音響用、映像用、計量用、信号用、検査用、救命用、教育用、計算用又は情報処理用の機械器具、光学式の機械器具及び電気の伝導用、電気回路の開閉用、変圧用、蓄電用、電圧調整用又は電気制御用の機械器具
第10類 商品 医療用機械器具及び医療用品
第11類 商品 照明用、加熱用、蒸気発生用、調理用、冷却用、乾燥用、換気用、給水用又は衛生用の装置
第12類 商品 乗物その他移動用の装置
第13類 商品 火器及び火工品
第14類 商品 貴金属、貴金属製品であって他の類に属しないもの、宝飾品及び時計
第15類 商品 楽器
第16類 商品 紙、紙製品及び事務用品
第17類 商品 電気絶縁用、断熱用又は防音用の材料及び材料用のプラスチック
第18類 商品 革及びその模造品、旅行用品並びに馬具
第19類 商品 金属製でない建築材料
第20類 商品 家具及びプラスチック製品であって他の類に属しないもの
第21類 商品 家庭用又は台所用の手動式の器具、化粧用具、ガラス製品及び磁器製品
第22類 商品 ロープ製品、帆布製品、詰物用の材料及び織物用の原料繊維
第23類 商品 織物用の糸
第24類 商品 織物及び家庭用の織物製カバー
第25類 商品 被服及び履物
第26類 商品 裁縫用品
第27類 商品 床敷物及び織物製でない壁掛け
第28類 商品 がん具、遊戯用具及び運動用具
第29類 商品 動物性の食品及び加工した野菜その他の食用園芸作物
第30類 商品 加工した植物性の食品(他の類に属するものを除く。)及び調味料
第31類 商品 加工していない陸産物、生きている動植物及び飼料
第32類 商品 アルコールを含有しない飲料及びビール
第33類 商品 ビールを除くアルコール飲料
第34類 商品 たばこ、喫煙用具及びマッチ
第35類 役務 広告、事業の管理又は運営及び事務処理及び小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供
第36類 役務 金融、保険及び不動産の取引
第37類 役務 建設、設置工事及び修理
第38類 役務 電気通信
第39類 役務 輸送、こん包及び保管並びに旅行の手配
第40類 役務 物品の加工その他の処理
第41類 役務 教育、訓練、娯楽、スポーツ及び文化活動
第42類 役務 科学技術又は産業に関する調査研究及び設計並びに電子計算機又はソフトウェアの設計及び開発
第43類 役務 飲食物の提供及び宿泊施設の提供
第44類 役務 医療、動物の治療、人又は動物に関する衛生及び美容並びに農業、園芸又は林業に係る役務
第45類 役務 冠婚葬祭に係る役務その他の個人の需要に応じて提供する役務(他の類に属するものを除く。)、警備及び法律事務

商標登録出願をする場合、「区分」と「指定商品」「指定役務」を特定する必要があります(商標法第5条第1項第3号)。

「区分」とは、指定商品・指定役務がどの類に属するかを表すもので、願書には【第1類】というように記載します。

「指定商品」とは、商標登録出願の願書に記載する商品であって、あなたが商標に使用する商品をいいます。

例えば、上の事例では、ネットショップでコーヒー豆を販売するため、「コーヒー豆」が商品に該当します。

「コーヒー豆」は商品であり、「植物性食品」に該当しますから、区分は第30類に相当します。

「指定役務」とは、商標登録出願の願書に記載する役務であって、あなたが商標に使用する役務をいいます。

役務とは、サービスと解釈して問題ありません。

例えば、上の事例では、ネットショップだけでなく、お店でコーヒーを提供する喫茶店を始める場合、「コーヒーの提供」は役務(サービス)であり、「飲食業」に相当しますから、第43類に相当します。

「指定商品」「指定役務」は上の区分の名称を書くのではなく、具体的にあなたが使用する商品名・役務名を特定します。

商品名・役務名は、「類似商品・役務審査基準(国際分類第9版対応)https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/trademark/ruiji_kijun/ruiji_kijun9.html」に沿って書くことをおすすめします。

ここで、第1~第45類まで区分がありますが、どれを選べばわからない場合、全部登録すればいいのかなと思うかもしれませんが、指定する区分が増えるごとに、出願手数料・登録納付料が増えてしまいます。

そこで、あなたが実際に使用する商品・役務に該当する区分を選択することをおすすめします。

区分がわからない場合、上のアドレスから調べることもできますが、より手間がかからない方法として、筆者が開発した「BrandAgent」から商品・役務を入力して、区分を見つける方法もあります。

無料ですのでぜひご利用ください。

以上のとおり、商標登録出願に必要な情報は、「商標」「区分」「指定商品(役務)」であり、願書にこれらの情報を入力します。

もしあなたが自分で願書を書く場合は、こちらの記事をご参考ください。

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では商標登録出願について必要な情報がわかったところで、商標出願をすると、すんなりと登録が認められるのでしょうか。

ここは、商標登録をしようと考えている方が最も誤解しやすいポイントがありますので、以下に解説していきます。

3.商標の登録流れを解説

商標の登録流れ

商標登録出願から登録後までの流れは上のようになります。

商標登録出願をした後、特許庁により審査が行われます。

出願後審査着手までの期間は10~14か月かかります(参考:商標審査着手状況(審査未着手案件)https://www.jpo.go.jp/system/trademark/shinsa/status/cyakusyu.html)

もっと早く審査してもらえないの?と思うかもしれません。

そういう方に早期審査制度があります。

早期審査制度については以下で解説しています。

[st-card myclass="" id=3028 label="" pc_height="" name="" bgcolor="" color="" fontawesome="" readmore="on"] 審査結果で合格すれば、登録査定があなたへ通知されます(商標法第16条)

登録査定というと難しい表現ですが、要は合格したので登録できますよという意味です。

しかし、多くの方が誤解しやすいのですが、これであなたの商標は登録できるわけではありません。

次に、あなたは登録料を納付する必要があります(商標法第18条第2項)

登録料の支払いは、登録納付書という書類に特許印紙をはりつけて特許庁へ送付します。

オンラインで提出する場合は、登録料を事前に特許庁に納付する必要があります。

登録料の納付には指定期間があります(商標法第18条第2項)

指定期間が過ぎるとせっかく合格したのに、登録できなことになります。

特にあなたが自分で商標出願する場合はご注意ください。弁理士を利用する場合は心配不要です。

次に、特許庁から登録証が送られてきます。

ここは少しややこしいのですが、権利の設定登録が特許庁よりなされ、その後に登録証が郵送されます(参考:権利化のための特許(登録)料の納付の流れについてhttps://www.jpo.go.jp/system/process/toroku/settei_nagare.html)

商標の権利の発生は、設定登録から発生します(商標法第18条第1項)登録証が郵送された日から権利が発生するわけではないのでご注意ください。

商標権の存続期間は設定登録から10年間ですが、上のとおり、更新手続きを行えば永久に存続させることができます(商標法第19条第1項、第2項)。

一方、審査結果でNGが通知されたとしても、補正書と意見書を提出することで登録が認められる場合があります。

ここでは詳しい説明を省略しますが、登録を審査官に認めるために、専門家である弁理士に依頼することをおすすめします。

商標登録出願自体は簡単ですが、補正書と意見書の提出は専門性が必要です。

もし、あなたがこのケースにリスクを感じるなら、出願も含めて弁理士に頼むことをおすすめします。

では流れを理解したところで、商標権が発生するとあなたはどのようなメリットを受けられるのでしょうか。

言い換えると、あなたは商標権をもっていない場合、どのようなリスクを受けることになるのか。以下に解説します。

4.商標登録をとらないことのリスクとは!?

商標権とは、指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利をいいます(商標法第25条)

登録商標とは、商標登録出願から審査を経て合格し、所定の登録納付料の支払いが完了した商標をいいます。

この文言だけ見ると、単に使用する権利なら商標登録しなくてもいいじゃないかと思われるかもしれません。

しかし、この登録商標を使用する権利を手に入れると、さらに以下の権利も得ることができます。

「…自己の商標権…を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。(商標法第36条第1項)」

 「次に掲げる行為は、当該商標権…を侵害するものとみなす。一 指定商品若しくは指定役務についての登録商標に類似する商標の使用又は指定商品若しくは指定役務に類似する商品若しくは役務についての登録商標若しくはこれに類似する商標の使用…(商標法第37条)」

表現が難しいので簡潔に言うと、願書に記載した指定商品・指定役務と同一・類似の範囲内で、あなたの登録商標と同一・類似の商標を使用したものに対して、使用するなと排除できるのです。

上の事例でいうと、第3者がコーヒー豆の商品名を「COFFEE BOY」として販売していた場合、その販売を禁止することができます。

そうすると、第3者は、その商品名を変更するばかりか、そのパッケージも作り直さないといけず、大きな損害を被ります。

商標は「記号」であり、ユーザは同じ商品・サービスを選ぶときにたいていは「記号」をもとに選びます。

この記号には、「信頼」「感覚」「理念」などさまざまな意味が包含されています。

例えば、ユーザは、コーラを買うとき、「信頼」と味わった爽快な「感覚」を「コカ・コーラ」という記号に頭の中で結び付けて、複数のコーラの中から「コカ・コーラ」を選択します。

このように、商標という「記号」には数ある商品・サービスの中からユーザに選択してもらう(ユーザを惹きつける)強力な力があります。

この力は、年月の経過とともに蓄積されていきます。

ここで、あなたが商標登録をしていなければ、これから長い時間をかけて蓄積させていく力を失ってしまうリスクがあります。

どういうことかというと、第3者があなたの商標の真似をして、商品・サービスの品質を低下させるおそれがあります。

似たような商標が市場に出ると、ユーザは混乱をして、あなたの商標と第三者の商標を混合してしまいます。

このような場合、商標権がないと第3者の商標の使用を排除したくても排除できません。

また、商標権を手に入れた第3者が、あなたに対して商標権の侵害だと言われるおそれもあります。

この場合、商標権をもっていないと、第3者に対して対抗することが難しくなります。

そうすると、あなたはせっかくこれまで蓄積してきた商標を放棄せざるをえないということになります。

これらが商標登録をしないことのリスクです。

サイドビジネスをはじめたばかりならこのリスクはまだ実感がないかもしれませんが、年月の経過とともにリスキーになっていきます。

また、商標権は、同一・似たような商標が合った場合、早い者勝ちであるということも補足しておきます。

また、商標権をとることのメリットとして、あなたの商品・サービス名の後ろに®をつけることができます。

よく商品名の後ろに®やTMが表記されます。

Rマークの具体例

引用元:https://panasonic.jp/viera/

例えば、上の写真のとおり、パナソニック製品のスピーカーの商品名「Dolby Atmos」の後ろに®のマークが表記されています。

®は、Rマークともいわれ、これが表記された商品名(商標)は登録商標であることを意味しています。

 一方、TMは登録されている、されていないにかかわらず商標ですよということを示すマークです。

®を表記することで第3者にこれは使ってはいけないという強い意思表示をすることができます。

このため、第3者が似たような商標を使用することをより一層排除することができます。

以上のとおり、商標権をとることはとても重要です。

では商標権をとるために費用はいくらかかるのだろうと思われるかもしれません。

今は弁理士を利用しても、一昔前(2003年)の相場の半分程度の費用でおさえられるところもあります。

5.商標登録にかかる費用はどれくらい!?

費用は、特許庁へ支払う費用と弁理士へ支払う費用で分かれます。

特許庁へ支払う費用は以下のとおりです。

出願手数料➤¥3,400+(区分数×8,600) 登録納付料➤¥16,400×区分数×2回 または ¥28,200×区分数×1回

出願から登録までに2回特許庁へ支払う必要があります。

上のとおり、区分が増えると手数料は増額されることに注意してください。

一方、弁理士へ支払う場合、昔(2003年)の商標出願の費用の相場は、手数料は3区分あたり、約13万円ほどかかりました(参考:2003年に弁理士会が特許事務所を経営する弁理士に特許庁への手続きに関する報酬についてのアンケートの調査結果https://www.jpaa.or.jp/old/consultation/commission/pdf/tokkyojimuhousyuuankt_20030530-35.pdf)

1区分に換算すると、3~4万円ほどです。

今もこれくらいの金額を請求する特許事務所はあるかもしれません。

しかし、今では価格が抑えられた商標出願代行サービスがあります。

それは筆者が運営するBrandAgentであり、1区分¥10,000(税別)で商標出願代行サービスを提供しています。

また登録後の管理もオンライン上で完結できます。

もし他の安めの商標出願サービスと比較したい場合は、こちらの記事が参考になります。

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6.商標登録のまとめ

以上、商標についてまとめました。

全文8,000文字弱でありボリュームが多めでしたがご覧頂きありがとうございます。

本内容を通じて、商標について概要を一通り理解でき、お役に立てれば幸いです。